エンゼルスから見る、メジャーリーグの商標やドメインネームの管理とは

メジャーリーグ、エンゼルスの大谷翔平選手の活躍のニュースが連日報道されています。4月4日の本拠地デビュー戦に続き、5日もメジャーを代表する投手から2試合連続のホームランを放ち、球場は大興奮に包まれました。今後も「二刀流」大谷翔平から目が離せません。

大谷選手が属するロサンゼルス・エンゼルス(英語: Los Angeles Angels)は、メジャーリーグベースボールアメリカンリーグ西地区所属のプロ野球チーム。「エンゼルスから見る、メジャーリーグの一風変わった商標やドメインネームの管理とは」をご紹介いたします。

ANGELSの出願商標とは

世界最大の商標データベース「GlobalBrandDatabase」で、権利者名「ANGELS BASEBALL LP」を検索した結果は62件。

商標を出願する際には、その商標を使用する商品や役務(サービス)を指定するのですが、その指定された商品や役務が属する業種も合わせて指定します。 この業種のことを区分といいます。区分別に見た出願件数はこちら。


出願先国がアメリカ54件と、カナダ8件のみという点は、出願国が非常に少ない印象。これは、リーグビジネスが深く関係していたのです。

リーグビジネスと出願商標

メジャーリーグを拡大させる「リーグビジネス」というものが存在し、以下4つの会社による運営により、30チームを養っていると言います。

1MLBインターナショナル:海外に放映権などを販売する際の窓口。1986年設立。
2MLBプロパティーズ:全国ネットへの放映権販売、リーグスポンサーの獲得など。
3MLBアドバンスト・メディア:ネットを使ったビデオ放送、チケット販売など。
4MLBネットワーク:2009年に設立したケーブルテレビ局。

この4社のうち、リーグビジネスの中核は「2)MLBプロパティーズ」。1966年にメジャーリーグの各チームの共同出資で設立された歴史を持ち、商標管理を行っているのがこの会社。

権利者名”MAJOR LEAGUE BASEBALL PROPERTIES, INC.(MLBプロパティーズ)”を検索した結果は2,161件。区分別に見た出願件数はこちら。


商標管理の線引きは

ANGELSと、MLBプロパティーズの出願商標と国をまとめた一覧がこちら。


ANGELSはロゴだけを見ても、複数の出願が確認できますが、MLBプロパティーズが出願しているANGELS関連の商標ロゴは、メインで使用をしている歴代ロゴのみ。また、ANGELSの出願国はアメリカとカナダのみでありますが、MLBプロパティーズが出願しているANGELS関連の商標はアメリカとカナダ以外の諸国々への出願されていました。商標出願や管理のすみわけについて、明確な取り決めがなされていることが伺えます。

ドメインネームの管理は

ANGELSの公式ホームページURLは「https://www.mlb.com/angels」が使用されており、ドメインネームは「mlb.com」。公式ホームページには「angels.com」のドメインネームがヘッダー部分に大きく記されておりますが、「angels.com」のドメインは「mlb.com」へ転送される仕様となっていました。

ドメイン名の登録者などに関する情報を調べられるWHOISで、「mlb.com」と「angels.com」の権利者を確認したところ、両者とも「MLB Advanced Media, LP」が権利者となっており、ドメインネームの管理は「3)MLBアドバンスト・メディア」が行っていることがわかりました。


他のチームのドメインネームも同様に、「3)MLBアドバンスト・メディア」が権利者。各チーム名ドメインを打ち込むと全て「mlb.com」へ転送がされ、サブディレクトリのURLが使用されていました。

リーグビジネスの概念が反映された管理方法

MLBの放映権が近年、契約更新のたびに増額傾向にある理由として、各チームごとにバラ売りするのではなく、リーグ一括管理によってコントロールされているからと言われています。各チームのドメインネームがそれぞれに存在しているものの、転送設定により「mlb.com」に集約され、リーグ全体の情報提供がされている点とまさしく一致しています。ベースボールというコンテンツから生み出される利益を、MLBに戻し、パートナーである各チームに配分することで、各チームの経営を健全化する。利益を各チームが再投資することで、コンテンツの質が高まり続けるというサイクルが築かれ、商標やドメインネームの管理体制も同様に築かれたことが伺えました。

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