2010年1月1日付で改正著作権法が施行されました

今回の改正は、旧著作権法では想定していなかった点に対応するため、インターネットなどを活用した著作物利用の円滑化、インターネットを通じて行われる新しい形での違法な著作物の流通の抑止、障害者の情報利用機会の確保を目的としています。(文化庁の発表による改正目的と改正内容は下記の表をご覧ください。)

この中で最も注目されているのは、主にインターネットを用いた新しい形での、違法な著作物の流通の抑止を目的とした部分、特に、違法なインターネット配信による音楽・映像を違法であると知りながら複製することを権利侵害と定めた点です。

改正前は、権利者の許諾なしに著作物をアップロードする行為は違法でしたが、たとえ違法にアップロードされたファイルであっても、それをダウンロードする行為は「私的使用」の範囲内とされており、違法行為ではありませんでした。つまり、法的には、自分で聴くためであれば、権利者の許諾なしにコピーされた曲を、Winnyでダウンロードすることも、レンタルビデオ店でCDを借りてきて、カセットテープにダビングすることも同じ「私的使用」でした。しかし、今回の改正で、著作権侵害にあたる音楽・映像を、侵害であると知りながら複製する行為は私的使用目的には当たらず、著作権侵害行為であり、違法であると定められました。

しかし、違法とされたものの、罰則がないことから、実質的な効果を疑問視する声もあります。

コンピュータソフトウェア著作権協会、日本レコード協会、日本国際映画著作権協会が共同で、2009年9月24日~30日にアンケート方式で、第8回「ファイル共有ソフト利用実態調査」を実施しました。

これによれば、ファイル共有ソフトの「現在利用者」(全体の9.1%)のうち74.7%がダウンロードの違法化について何らかの認知をしていました。また、「現在利用者」の著作権法改正後のファイル共有ソフトの利用意向は、30.7%が「継続利用は減ると思う」と答え、13.6%が「利用をやめようと思っている」と答えています。著作権侵害物のダウンロードに対して、今回の著作権法改正により、ある程度の抑止効果が期待できることを示唆しています。

また、今回の改正は違法ダウンロードをした者に対する民事訴訟にも何らかの影響を与えるものと考えられます。しかし、具体的な影響については実際に判例が出るのを待たなければなりません。今後の動きが注目されます。

表:文化庁の発表による改正目的と改正内容改正目的改正内容インターネットなどを活用した著作物利用の円滑化以下の行為が権利者の許諾なく行えるようになりました。

1. インターネット検索サービスを実施するための複製 2. 権利者が所在不明である過去の放送番組などのインターネットの二次利用 3. 国会図書館での所蔵資料の電子化 4. インターネットでの美術品等の販売等に際しての画像掲載 5. 情報解析研究のための複製 6. 送信の効率化のための複製 7. 電子機器利用時に必要な複製違法な著作物の流通抑止インターネット販売等で海賊版と承知の上で行う販売の申し出が違法となり、罰則を適用されるようになりました。 違法なインターネット配信による音楽・映像を違法であると知りながら複製することは、私的使用目的であっても権利侵害となりました。障害者の情報利用機会の確保視覚障害者向け録音図書作成が可能な施設を公共図書館等にも拡大されました。 聴覚障害者のための映画や放送番組への字幕や手話の付与が可能になりました。 発達障害などで利用困難な者に応じた方式での複製が可能になりました。

本件に関する詳しい内容につきましては、お問い合わせください。

最新記事

すべて表示

【中国】商標印刷管理弁法が改正されました

2020年11月3日付で、中国国家市場監督管理総局より、改正商標印刷管理弁法が公布されました。 今回の法改正で変更された部分は以下となります。 第11条、第12条、第14条 「工商行政管理局」が「市場監督管理部門」に変更されました。 第15条 「国家工商行政管理総局商標局」が「国家知的産権局」に変更されました。 第4条 「商標印製業務を委託する際に、委託側では《商標登録書》を提示した上で、そのコピ

【12月10日無料WEBセミナー】SSL対応が済んだら終わり…ではありません!SSL管理集約の必要性【GMOグローバルサイン・GMOブライツコンサルティング共催】

12月10日(木)無料 15:00~16:00 お申込みはコチラ ※実施当日正午受付〆切 ※フォームがうまく開かない場合はメールでお申込みください ↓ seminar-admin@brightsconsulting.com 既に弊社営業担当宛に、直接お申込みいただいておりますお客様、お申込みいただき誠に有難うございます。まだご検討中のお客様も、Webセミナーなので、会場まで外出することなく、在宅勤

【シリア】マドプロ個別手数料の変更

マドリッドプロトコル経由の国際登録商標に関して、 2020年12月16日よりシリアの個別手数料が変更となります。 詳しい内容につきましては、お問い合わせください。

03-5784-1069

​東京都渋谷区桜丘町26−1

Registrants' Benefits and Responsibilities

©2019 by GMOブライツコンサルティング株式会社