第2回日中商標制度シンポジウム聴講レポート【後編】~審査の現場:中国国家知識産権局商標局審査二処「悪意商標出願阻止」の取り組み~

日本貿易振興機構北京代表処・中華商標協会主催で、10月22日に開催された、第2回日中商標制度シンポジウムを聴講した中国現地メンバー申(shen)より、最新のレポート、後編です。


<申(shen)コメント>

「悪意商標出願」阻止のために、中国において商標の商標法の改正や全面審査プロセスといった制度・手続き面の拡充が進んできました。それを受けて、出願する側にも、このシンポジウムのような機会を有効に使って、審査側が強化している判断ポリシーを理解し、スムーズな権利化のために、できる工夫や努力がありそうですね。」


シンポジウムの中でも、特にインパクトの強かった中国国家知識産権局商標局審査二処 副処長 宋玲玲氏の発言や資料から、後編では、初歩的審査の次のステップについて触れていきます。


【悪意商標出願を阻止するための「全面審査プロセス」】

案件一括処理 ↓ 初歩的審査 ↓       ↓ ↓      《審査意見書》が発行される場合あり ↓      ★残念ながら、この時点で、悪意出願だと疑われているため《意見書に対する回答》 ↓       が必要 ↓       ↓ ↓ 《意見書に対する回答》を提出し、審査を受ける ↓       ↓      査定 ↓ オンライン公開


審査対象の商標だけではなく、出願人によって出願されてる全ての商標を網羅して、総合的に審査を行う「案件一括処理」のもと、「初歩的審査」で悪意性が疑われないよう、事前準備をしっかりしておく必要があるのは、前編で触れたとおりです。


【初歩的審査後《審査意見書》が届いたら】

中国国家知識産権局商標局審査二処では、不正(悪意)出願だと疑われる場合に、出願人に《審査意見書》を発行し、弁解のチャンスを与える、としています。 つまり、《審査意見書》が届いたら、悪意出願だと疑われてることはもはや決定と言えるでしょう。 私たち出願する(企業をご支援する)側としては、ここからがもう一つの努力ポイントです。 疑いを晴らすために慎重に対応しなければなりません。 《意見書に対する回答》を提出して、悪意ではないこと(実際に使用を目的としているということ)を挙証していくことになります。


【《意見書に対する回答》による挙証のポイント】

  • 出願商標が既に実際に使用されている事実、又は計画中であればその説明

  • 商標使⽤の許諾を同意する旨の授権書

  • ビジネス活動計画

  • 防御を目的とする出願の説明 ※この際、指定商品・役務の範囲に関しては注意が必要で、全類別が指定されている場合、審査はとりわけ厳しくされるそうです。

  • 知名使用意図の解明、宣伝活動実績等の説明

【商標を出願する側に求められること】

出願する側には、審査側が「悪意」の炙り出しのために実運用の現場でどんなポリシーを持っているのかを理解することや、「悪意ではない」ことを明確にする努力も求められます。

初歩的審査において、必ず《審査意見書》が発行されてしまう憂き目に遭う訳ではありませんが、届いてしまってから《意見書に対する回答》のための情報や資料を集め始めるのではなく、厳格化された判断基準の中で、そもそも疑われる要素を多少でも含んだ出願なのか、等確認し事前に備えたり、出願の範囲に関して慎重に検討するなどの対策が考えられます。


GMOブライツコンサルティングでは、現地代理人との丁寧なコミュニケーションや信頼関係で、各国の商標法や審査制度を考慮した出願のご支援が可能です。


【前編へ】

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